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所得1230万の個人事業主が節税対策で所得税を133万に抑えた裏ワザ

投稿日:2018年3月9日 更新日:

この記事の所要時間: 146

昨年脱サラしして、フリーランスエンジニアとして2年目に突入。先日無事に初回の確定申告を終え、税金どんくらい持ってかれんのかとビクビクしてたんですが、思いのほか節税効果が出ていたようで嬉しく。僕が何をやったのか備忘録として残しておきます。

初年度の内訳はこんな感じです。

項目 説明 金額
収入金額等 1年間に発生した所得の合計 約1440万
経費 事業に使った費用 約210万
所得金額 収入金額等 – 経費 約1230万
控除いろいろ 節税による控除 約374万
課税所得 所得金額 – 控除いろいろ 約856万
所得税額 課税所得 × 税率23% – 63.6万円 約133万

所得1230万に対して所得税の納税額が133万なんで、割合で言えば約11%ほどに抑えた計算。これに住民税が10%ほど乗っかっても合計21%くらいなんで、まぁまぁ頑張れたんじゃないでしょうか。

中には初年度しか使えないノウハウもあるので、これからフリーランスになろうと思ってる人は退職前から計画しといたほうがいいです。

退職前から考えていてた節税対策は2つ

まずは退職前から意識してた節税対策についてです。在職中に発生する所得は給与所得、退職後に発生するのは退職所得ですね。これらの控除枠をフルで使ったという話です。

給与所得控除をより使うために退職を1ヶ月遅らせた

給与所得控除は一律65万円なので、まずはこれをなるべく多く使おうと思いました。具体的には、12月末で退職予定だったものを少し延ばして1月末に退職することにしました。前職は給与が翌月払いだったので、12月末での退職だと翌年1月に最後の給与が振り込まれます。給与が30万円くらいだったので、これだと控除枠65万円を充分に使いきれないわけです。

所得控除65万のうち30万しか使ってない

退職を1ヶ月遅らせれば非課税給与所得を計60万円まで増やせるわけです。

月給30万なら2ヶ月分の給与を丸々控除できる

これからフリーランスになる人は、なるべく給与所得控除枠を多く使えるように退職時期を調整するのが節税的にはベストです。

昇給よりも退職金の増額を希望した

給与所得控除は一律65万円ですが、退職所得控除は勤続年数と共に増えていきます。とりあえず勤続20年未満なら「勤続年数×40万円」と思っておけばいいでしょう。退職金から控除分を差し引き、さらにその金額を2で割ったものが退職金の課税所得です。

勤続2年で退職金が100万円なら「100万-(2×40万円)÷2=10万円」が課税所得になります。

先ほど僕は12月末で退職予定だったと書きましたが、実は最初は12月よりもっと前の4月で退職するつもりだったんです。ただ、会社側から退職時期を延ばしてほしいと交渉を受けて、12月末まで在籍することにしました。交渉の際に会社側から提示された条件は「5月以降の昇給」だったんですが、上述の通り給与所得控除は65万円までしか枠がありません。5月以降を昇給されても税金で持ってかれちゃうのであまり美味しくないんですよね。

5月以降の給料を昇給されても課税対象だから美味しくない

なので僕は月給はそのままで、昇給分を全て退職金にしてもらいました。もともと退職金が少ない会社だったので、退職所得控除枠が存分に余ってるからです。おかげで元々の退職金+昇給分は全額非課税にできました。

退職所得控除枠が余ってるから、退職金としてもらえば全額非課税になる

このように、控除枠をなるべく多く使うことで節税効果を高めることができます。

開業前に検討した節税策は2つ

給与所得控除や退職所得控除を使った節税は会社から「NO」と言われてしまえばそれまでです。一方、これから紹介する節税策は全て自分の意志で実施することができます。いずれもフリーランスとして税金と向き合っていくからには、知っておいたほうがポイントです。

個人事業主は青色申告一択

確定申告で提出する書類の書式には白色と青色の2つがあります。白色だと10万円の控除が、青色だと65万円の控除が受けられるので、これは普通に青色を選びました。白色のほうが書式が簡単だと言われていますが、そもそも僕は財務の知識が全くないので白だろうが青だろうがどっちにしても正しい書式なんて分かりません。

白と青では55万円の控除の差があり、これは税率30%で考えると税引後価格16万円くらいの差になります。つまり、青色にするだけで手取りが16万増えるわけです。であれば、とりあえず青色にして手取りを16万増やし、そのお金で会計ソフトを使ったり税理士に依頼しようと思いました。

会計ソフトはとりあえず簡単に記帳できそうなfreee
にしました。費用はスタンダードプランで年間2万円くらいです。まずは自分で収支を入力してみて、もしよく理解できなければ税理士に相談しようと思ってましたが、幸いなことにfreee
は使い勝手が良かったので税理士に依頼する必要はありませんでした。

社会保険料は全額控除対象だけど、それよりも保険料をどう抑えるかが重要

会社員は社会保険に加入するので必然的に健康保険や厚生年金にも加入します。また、毎月の社会保険料の半分は会社が支払ってくれます。

一方、フリーランスになったら年金や健康保険の加入手続きはもちろん、月々の保険料の支払い手続きも全部自分で行わなければなりません。当然、誰も折半してくれないので全額自分で支払います

節税の観点で言うと、社会保険料は全額控除になるので払えるだけ払っておいたほうがいいです。例えば過去の未納年金を納めたり、翌年分の年金を前納(前払い)したりすると、全て当年中の社会保険料控除として所得から差し引くことができます。僕も開業してすぐに翌年3月までの国民年金を前納しています。

ただし、払わなくていいものを無理に払う必要はありません。節税の観点では控除を増やすことは大切ですが、そもそも手取りを増やす為には納付額自体を抑えたほうが遥かに効果が大きいです。

例えば国民健康保険に加入するか会社の保険を任意継続するかで、人によっては保険料が大きく変わってきます。僕の場合は、任意継続を選べば国民健康保険より保険料を半分以下に抑えることができました。任意継続は退職時点の等級を基準にして保険料を決定するんですが、等級の上限が21等級なんです。つまり50万稼いでようが100万稼いでようが29万円相当の標準報酬月額が適用されるということです。ちょっとこのへんの話は節税というより支出を抑える話になるので、気が向いたらまた別の記事にまとめます。

節税的には、社会保険料は全額社会保険料控除として適用できるので、払うべきものは全額払おうというスタンスです。

開業後からでも間に合う節税策は色々ある

生命保険はまぁ入りたければ入る程度で

生命保険は支払った保険料のうち一定の割合が控除になります。あとは介護保険と個人年金もですね。生命保険料控除は3つ合わせても上限12万円程度なので正直あまり旨みはないです。僕は仕事上の付き合いで加入しましたが、節税の為にわざわざ加入するほどの魅力は全くないと思いますよ。

小規模企業共済の破壊力

小規模企業共済とは、個人で積み立てる退職金だと思ってください。個人事業主には法人のような明確な退職金制度がないので、廃業時に無収入となるリスクがあります。そのリスクを緩和するため、毎月少しずつ掛金を共済金として積み立てて、もしもの廃業時には掛金を退職所得として受け取れるようにした制度が小規模企業共済です。毎月7万円まで積み立てることができ、掛金は全額控除されます。

これだけを聞くと最近流行り出した401kとかiDeCoのような確定拠出年金と近しい制度ですが、小規模企業共済のほうが圧倒的に優れてるメリットがいくつもあります。

  • 途中解約できる(20年継続してれば元本保証)
  • 廃業なら20年未満でも元本保証
  • 特別法人税はかからない
  • 掛金を担保に借入できる

あたりですね。小規模企業共済が優れているというか確定拠出年金が劣ってるだけなんですけどね。確定拠出年金は一度加入すると途中解約できませんし、60歳まで引き出すこともできなくなります。理由は単純で、加入者に返金したくないからです。

加入者の掛金は全て市場で運用されるわけですが、例えばリーマンショックのような世界的な大暴落が起こった時に多くの人から返金を求められると、運用会社としては非常に困るわけですよね。だから最初から返金を認めないルールにしてるだけです。加入者は市場がどんなに大暴落しても自分の意思では身動きできなくなるわけで、つまり損切りができないということです。株式投資で稼いでる人ならこれが如何に馬鹿げた話なのかはすぐに分かるんじゃないでしょうか。普通に考えて自分のお金を自分の意思で引き出せないっておかしいですからね。

ちょっと話が逸れてきたのでこれもまた別の記事にします。とりあえず小規模企業共済等掛金控除は全額控除対象なので、毎月7万×12ヶ月で最大84万円が控除されます。

ふるさと納税は楽天で買えばポイント還元で黒字化できる

ふるさと納税とは「自治体に寄付をすると、その自治体から返礼品が送られてくる制度」です。自己負担2,000円で地方の特産物が買えますし、サラリーマンでもできる節税策なので徐々に普及してきてますよね。ふるさと納税は、名目上は地方自治体への寄付なので寄付金控除の対象になります。控除額は所得に応じて変動するので、稼げば稼くほど寄付金控除額は大きくなります。

ふるさと納税の返礼品を探すにあたり、僕がオススメするのは楽天を使うことです。というのも、楽天で買えば「ふるさと納税の節税効果」に加えて「楽天ポイント」が付くからですね。楽天で商品を買うと通常1%の楽天ポイントが還元されますが、楽天カードで購入すればさらに2〜4%加算されます。

例えば所得500万円くらいの独身者であれば、ふるさと納税の控除限度は大体61,000円くらいです。61,000円分の返礼品を買った場合、そのうちの59,000円は所得税還付を受けたり翌年の住民税から減税されたりするので、実質自己負担で2,000円でお肉や海産物などを買えるわけです。ここまでは楽天じゃなくてもどこで買っても同じです。

もし楽天で返礼品を買った場合、これに加えてさらに楽天ポイントが還元されます。通常1%+カード決済4%で計5%が還元される場合、61,000円 × 5% = 3050円分のポイント還元です。ということは、自己負担2,000円すら上回って1,050円黒字になるんですよね。もちろん所得がもっと高くてより高額の返礼品を買えるなら、ポイント還元はもっと大きくなります。ということで、僕も嫁もふるさと納税は楽天を使っています。

最強の節税対策こと不動産投資

僕は不動産の賃貸業もやってるのでローンの利子や管理委託費、建物の減価償却費など事業に必要な支出は丸々経費になります。特に減価償却費は経年で経費計上できるため、建物を増やせば増やすほど節税効果を大きくできる魔法の経費です。例えば築年25年の木造アパート、建物部分の購入価格が4000万円なら4年間毎年1000万円を経費計上できます。こういうのをうまいこと使って、合法的に所得税を0にしてるような猛者もいますよね。ただ、僕の場合不動産は節税目的ではなく普通に事業としてやってることなので、ここでは割愛します。

2年目以降に使える節税策

小規模企業共済以上のリスクヘッジ効果を持つ経営セーフティ共済

経営セーフティ共済は個人事業主と中小企業を対象にしたリスクヘッジ制度です。制度の内容をざっくり書くと、毎月の掛金20万円まで、最大800万円までを積み立てて「もしも」の時に借り入れたり受け取ったりすることができる制度です。「もしも」の時とは、事業資金が足りなくなったり倒産の危機が訪れた時とかですね。小規模企業共済と同様に掛金は全額控除になりますし、40ヶ月積み立てを継続していれば元本割れはなくなるので、節税だけでなくリスクヘッジ策としてもかなり強力です。加入条件は1年以上継続して事業を行ってることなので、開業1年目は加入できませんが、資金に余裕があったり節税の精を出したい場合は2年間から加入することをオススメします。

消費税も意識しておく

フリーランスになると法人と同じよう国に消費税を納めなければいけません。僕たちは普段からお店で買い物をするときに消費税を支払っていますが、お店はその消費税を国に納めています。それと同じように、個人事業主も商品やサービスを売る場合には顧客へ消費税を請求し、その消費税を国に納める必要があります。

ただし開業後2年間は免税事業者となるため、消費税の納税は免除されます。免税事業者になるための手続きは特にありません。開業すれば全員一律で2年間は免税事業者になります。さらに、基準期間の課税売上高が1000万円を超えない限りはこの免税期間は延長されます。

消費税の課税事業者になるのは以下のいずれかの条件を満たしたときです

基準期間(1/1~12/31)の課税売上高が1000万円を超えた場合 翌々年から課税事業者
基準期間の上期(1/1~6/30)の課税売上高が1000万円を超えた場合 翌年から課税事業者

なお、免税事業者でも顧客に消費税を請求するのはOKです。もちろん僕も請求しています。ただしその場合、売上と消費税の合計金額が課税売上高として扱われます。消費税を請求しなければ年間1,000万未満だけど、請求すると超えてしまうって場合は調整したほうがいいかもしれません。消費税は2018年現在で8%ですが、今後さらに上がっていくはずですからね。

2018年の課税売上高 2020年の事業者区分 2020年の売上が800万円だった場合に納める消費税(10%)
990万円 免税事業者 0円
2018年の課税売上高 課税事業者 80万円

というように、2年後が全く同じ売上でも免税事業者か課税事業者かで納税額が大きく変わってきます。なお、継続して1000万を超える見込みがあるなら法人化するのも手です。法人化して事業を始めればそこからまた2年間免税事業者となるからです。

まとめ

ということで、いろいろ頑張って節税したよという話でした。

僕も会社員の時はそうだったんですが、源泉徴収とか年末調整とか標準報酬月額とかお金周りで知らない単語はたくさんありました。でもちょっと勉強してみると、それがすぐに効果を発揮して自分に返ってくるっていうのがすごい面白いんですよね。お金を節約できて嬉しいというより面白いのほうが強い。

ふるさと納税なんて面白さがすごい分かりやすいじゃないですか。限られた予算の中で何を買おうか吟味して、家族で豪華なものが食べられて、それとは別に還元ポイントで好きなものが買えるってデメリット0ですよ。見える形になって返って来ればそれだけでモチベーション上がりますしね。

節税は知識0からだとハードル高いですが、ちょっと頑張れば必ず自分に返ってくるので絶対やったほうがいいですよ。1回覚えたら毎年同じことをやるだけなんで楽チンです。

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はぐれん@フリーランサー

10代〜20代前半くらいまではガンガンいこうぜ。20代半ばで鼻っ柱を砕かれて一度はめいれいさせろの支配下に置かれかけたものの、いや逃げりゃいいんじゃんって気付いてからはまた違う世界が見えて来た。30代半ばに差し掛かった今、いろいろやろうぜ。